雇用調整助成金
- 20名以下の小規模事業所向けの「簡素化申請」の内容が発表されました。
問題点
- 実はこの方法で申請をしてしまうと助成金の金額はかなり少なくなってしまう。
理由
- 「簡素化申請」で助成金を算定した場合には、平均賃金にボーナスが含まれないから。
結論
- 手続は簡単になるけど、助成金の金額は少なくなってしまう。
具体例(計算)
「簡素化申請」での場合
- 実際に支払った休業手当の金額を基準にして、休業手当の支給率によって助成金が支給される。
- 月給20万円の社員が5名いる会社の場合
- 給与総額:20万円×5人=100万円
- 所定労働日数:20日間
- 賃金日額:1万円(100万円÷5人÷20日)
- 休業手当支給率:100%
- 休業手当支給額:1万円(1万円×100%)
- 助成金支給額:9,400円(94%支給)←「簡素化申請」をした場合の、社員1人、1日あたりの助成額
②通常の方法で申請をして、源泉所得税の納付書を基準にして助成額を計算した場合
- 実際に支払う休業手当は社員1人あたり、1日あたり1万円であることは同じとする。
- 事業主(会社社長)の役員報酬月額100万だとした場合
- 給与総額:200万円(20万円×5人+100万円(社長分)
- 所定労働日数:20日間
- 賃金日額:1.66万円(200万円÷6人÷20日)
- 休業手当支給率:100%
- 助成金支給額:1.5万円(上限額)
- 社員1人、1日あたり1.5万円になる
結論
- 「簡素化申請」をした場合と、通常通りの申請では、社員1人あたり、1日あたり、5,600円も違うことになる。
- 社員5人で20日間休業した場合には、5,600円×5人×20日間=560,000円も助成金額が違うということになってしまう。
- 手続きの仕方しだいで増えた56万円から、専門の人に報酬を払ってやってもらったほうが、楽で得かもしれませんね。
- リンク→雇用調整助成金簡素化申請(厚労省のサイトです)
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