「ジョブ型人事制度」について
これまでの人事制度(賃金制度)というのは、「ヒト」を基準にして給与が決まるのが一般的でした。
例えば、「家族手当」や「住宅手当」を支給するというのは、その典型だと思います。
結婚していることや、持ち家であるかどうかということは、仕事の成果とは何も関係がありません。
また、基本給を決定にあたっても、「業績」や「能力」、「執務態度」といった属人的な基準によって評価を行ってきました。
注)業績評価というのは必ずしも属人的な基準ではありませんが、最終的な評価は能力や執務態度の評価と併せて、属人的に決定されます。
さらに、「年齢給」や「勤続給」といった年功的な要素も組み込まれています。
つまり、これまでの賃金制度では、その人が担当している仕事内容とは直接関係なく、「あいまいな基準」で給与が決められてきたのです。
しかし、ジョブ型の賃金制度というのは、仕事内容(役割)によって給与が明確に決まる仕組みです。
別の言い方をすれば、これまでのような属人的な要素は一切関係なく、「仕事内容」とその「出来栄え」だけで給与が決まってしまうのがジョブ型なのです。
このようなご説明をすると、ジョブ型というのは何だか難しい制度のように思えてしまいますが、決してそんなことはありません。
なぜなら、中小企業の給与というのは、すでに仕事基準で決められているからです。
ただ、それは社長の「感覚」で決められていることが多く、きちんとした「制度」になっていないのが問題なのです。
そこで、その社長の「感覚」を「仕組み(制度)」にするお手伝いをするのが、私たちの仕事になります。
ポイントとなるのが、「職務説明書」と「達成基準」です。具体的には、以下の作業を行います。
(1)担当する業務内容を「職務説明書」に整理する
(2)担当業務の「達成基準(成果指標)」を明確にする
(3)「業績評価」を行い、翌年の「期待給与」を決定する
以上の仕組みを導入することで、これまで社長の「感覚」で決められていた給与が、きちんとした「制度」になるのです。